2025年6月5日から、NTTドコモは新料金プラン「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」を導入しました。これに伴い、既存の「eximo」「irumo」「eximo ポイ活」の新規受付が6月4日に終了。
一見、特典が充実した新プランに見えますが、SNSやメディアでは「実質値上げ」「複雑化」といった批判の声が上がっています。
この記事では、新料金プランの値上げポイントを中心に、変更点やユーザーへの影響を詳しく解説します。
新料金プランの概要
NTTドコモは、ユーザーの多様なニーズに応えるとして、以下の4つの新料金プランを発表しました。
ドコモ MAX:データ無制限プラン。DAZN見放題や国際ローミング30GB無料などの特典付き。
ドコモ ポイ活 MAX:ドコモ MAXをベースに、dカードやd払いでポイント還元を強化。
ドコモ ポイ活 20:20GBまたは無制限の2段階制で、ポイント還元を重視。
ドコモ mini:低容量ユーザー向けで、4GBまたは10GBを選択可能。
これらのプランは、データ容量だけでなく「ライフスタイルに合わせたバリュー」を提供するとされていますが、実際には料金体系の変更により、多くのユーザーにとってコスト増となるケースが目立ちます。
値上げのポイント:旧プランとの比較新料金プランが「実質値上げ」と言われる理由を、旧プラン(eximo、irumo)と比較しながら具体的に見ていきます。
ドコモ MAX vs eximo:大容量プランの値上げ「ドコモ MAX」は、旧プラン「eximo」の後継となるデータ無制限プランです。料金はデータ使用量に応じた3段階制ですが、以下のように全段階で値上げされています。
1GBまで:eximo 4,565円 → ドコモ MAX 5,698円(+1,133円)
1~3GB:eximo 5,665円 → ドコモ MAX 6,798円(+1,133円)
3GB超(無制限):eximo 7,315円 → ドコモ MAX 8,448円(+1,133円)
値上げの背景
ドコモ MAXには「DAZN for docomo」(月額4,200円相当)が無料で付属し、国際ローミング30GB無料(2025年9月以降、6~8月は「世界そのままギガ」30GB無料)やAmazonプライム最大6カ月無料などの特典が追加されています。
これにより、DAZNや海外渡航を頻繁に利用するユーザーにとっては実質的な値下げになる可能性があります。
しかし、これらの特典を利用しないユーザーにとっては、単純に1,133円の値上げとなります。
ドコモ mini vs irumo
低容量プランの選択肢縮小と値上げ低容量ユーザー向けの「ドコモ mini」は、旧プラン「irumo」の後継です。
しかし、選択肢が大幅に減少し、料金も上昇しています。
irumoの0.5GBプラン(550円):廃止(最低でも4GBプラン(2,750円)からの契約、約5倍の料金増(550円→2,750円)。
4GBプラン:irumo 3GB(2,167円)→ ドコモ mini 4GB(2,750円、+583円)
10GBプラン:irumo 9GB(3,377円)→ ドコモ mini 10GB(3,850円、+473円)
ドコモ miniは、データ容量が1GB増加した分、割引適用後の料金(例:4GBで880円、10GBで1,980円)が強調されています。
しかし、割引なしの基本料金は上昇しており、特に0.5GBプランの廃止は、電話専用や低容量ユーザーにとって大きな負担増です。
例えば、Apple Watchのワンナンバーサービスを利用する場合、irumo 0.5GB+ワンナンバーで月1,100円だったのが、ドコモ miniでは最低3,300円となり、約3倍のコストに。
ドコモ ポイ活 20
20GBプランも高額化新設の「ドコモ ポイ活 20」は、20GB(7,898円)または無制限(9,570円)の2段階制。
旧プランの「eximo ポイ活」(10,615円)と比較すると、ポイント還元を活用する前提で設計されていますが、割引なしの基本料金は高額です。
割引をフル活用(dカードGOLD、ドコモ光など)しても、20GBで2,068円となるには複数の条件を満たす必要があり、手軽に低価格を実現するのは困難です。
値上げを緩和するも条件が厳しい新料金プランでは、以下の割引が拡充・新設され、値上げ分を相殺する仕組みが用意されています
みんなドコモ割:最大1,100円→1,210円/月に増額(3回線以上)
dカードお支払割:一律187円→dカードGOLD/PLATINUMで最大550円、dカードで220円
ドコモ光/home 5G セット割:1,100円→1,210円/月に増額
ドコモでんきセット割(新設):110円/月
長期利用割(2025年10月開始):10年以上で110円、20年以上で220円/月
これらを全て適用すると、例えばドコモ MAX(無制限)の料金は8,448円から5,148円まで下がります。
しかし、家族3回線以上、dカードGOLD以上、ドコモ光、ドコモでんき、20年以上の契約継続といった条件は、多くのユーザーにとってハードルが高いです。
特に、低容量ユーザーのドコモ miniでは、割引をフル活用しても0.5GBプランの550円には遠く及ばず、コスト増が顕著です。
ユーザーへの影響:誰が得で、誰が損?
得するユーザー
DAZNや国際ローミングを利用する人:ドコモ MAXの特典(DAZN 4,200円相当、国際ローミング30GB)は、利用頻度が高いユーザーにとってお得。eximo(7,315円)+DAZN(4,200円)=11,515円に対し、ドコモ MAX(8,448円)は約3,000円安い。
dカード/d払いを多用する人:ドコモ ポイ活 MAXやポイ活 20は、dカードGOLDで最大10%還元(上限5,000ポイント/月)など、ポイント還元を活用するユーザーにメリット。
割引条件を満たせる人:家族回線、光回線、電力サービスをドコモでまとめ、dカードGOLD以上を利用するユーザーは、割引により旧プラン並みの料金で利用可能。
損するユーザー
低容量ユーザー:irumoの0.5GBプラン廃止により、電話や低データ利用者は大幅な値上げに直面。ドコモ miniの4GB(2,750円)は、割引なしではirumo 0.5GB(550円)の5倍。
特典を利用しない人:DAZNやAmazonプライムに興味がない場合、ドコモ MAXの値上げ分(1,133円)は純粋なコスト増。
割引条件を満たせない人:家族回線が少ない、ドコモ光やでんきを利用しない、dカードGOLDを持たないユーザーは、割引が少なく実質値上げの影響を強く受ける。
SNSやメディアの反応
「複雑」「改悪」の声Xやニュースメディアでは、新料金プランに対し以下のような批判が目立ちます。
「実質値上げ」
特に低容量ユーザーの0.5GBプラン廃止や、割引なしの料金上昇が「改悪」と指摘されています。
「複雑すぎる」
:割引条件の多さや、特典のバンドル(DAZNなど)が分かりにくいとの声。村上誠一郎総務相も「利用者がニーズで合理的に選択できることが重要」と苦言を呈しています。
「他社への乗り換え検討」
MVNO(格安SIM)等への移行を考えるユーザーの声も。ahamo(30GB、2,970円)は値上げなしで継続提供されるため、ドコモユーザーでもahamoへの変更を検討する動きが見られます。
ドコモユーザーはどうすべき?
新料金プランの導入で、既にユーザーの流出が始まっています。irumo(特に0.5GBプラン)を検討していたユーザーは選択肢がなくなりました。
当サイトのメインテーマであるマイネオから選ぶとすると低容量ユーザー向けには「マイそく」がおすすめと思われます。
マイそくライトだと月々660円。電話とメールだけというライトユーザーにぴったりなプランとなっています。
マイネオはdocomo、au、ソフトバンクから回線を選ぶ事ができますので、docomo回線(Dプラン)を選ぶとエリアも繋がり具合も今までと同様です。
(MNPで電話番号も変わりませんし、キャリアメール持ち運び(別途300円くらい)も出来るようになったので乗換えのハードルは今とても下がっています。
併せて下記のマイそくライトの記事もご覧ください。
まとめ
ドコモの新料金プランは、DAZNやポイント還元などの付加価値を追加した一方、基本料金の値上げや低容量プランの選択肢縮小により「実質値上げ」との批判が集まっています。
特に、irumoの0.5GBプラン廃止は電話専用ユーザーにとって大きな打撃です。割引をフル活用すれば旧プラン並みの料金も可能ですが、条件の複雑さやハードルの高さが課題です。ユーザーは自身のデータ使用量や特典の利用頻度、割引条件を慎重に検討し、irumo継続、ahamo移行、他社への乗り換えを比較することが重要です。ドコモのシェア低下(2024年12月時点で34.2%)を背景に、顧客囲い込みを狙った戦略が見えますが、ユーザーのニーズに本当に合ったプラン選択が求められます。
参考情報:
本記事は、NTTドコモ公式サイト、ascii.jp、Business Insider Japan、ITmediaなどの情報を基に作成しました。詳細は公式サイトの料金シミュレーションや報道発表資料をご確認ください。