マイネオでついに始まった新プラン・マイそく。マイピタ1GBからマイネオ最安の座を奪い人気沸騰中のマイそくスタンダードに比べて、なんとなく通好みな雰囲気を醸し出しているマイそくプレミアムですが、3Mbps使い放題というこれまでにないサービスを試さないわけにはいきません。
そこで、マイそくプレミアムを3キャリア契約しガッツリ使い倒してみました!そこで実際に感じたことや使い勝手について忖度なしでお伝えしたいと思います。
①セットアップ
今回は主にGoogle社製のAndroidスマホ・Pixel 5a 5Gを使用しました。
Androidスマホで格安SIMを使い始める場合、マイネオ等のメジャーなサービスの設定(プロファイル)は最初から登録されていてSIMカードを挿すだけで使い始められることが多いのですが、Pixel 5aでは3プランのSIMのいずれも登録されていなかったので、手動でAPNの登録を行いました。付属のご利用ガイドの第1章・初期設定に入力すべき情報が記載されているので難しいことはありません。
また、マイネオのご利用ガイドはAプラン・Dプラン・Sプランそれぞれ個別の冊子になっており、自分のプランに合わせて読み替えたりする必要はないので、入力する内容を間違えたりする心配もありません。細かいことですがとてもユーザーフレンドリーですね。
Sプラン以外は何も問題なく回線をつかみましたが、SプランはSIMカードを入れた直後に3G回線と表示されて、実際に速度も遅く4G回線を掴めていない状態に陥りました。
設定入力ミスを疑いましたが、結局スマホを再起動したら4Gで接続できるようになり、以降はSIM差し替えしてもこのような現象は起こっていません。
検索してみるとSoftBankのSIMで3G接続になるトラブルは割とあるようで、同じように再起動すると直るケースが多いようです。
②スピードテスト
まずはお約束ということで、平日(3月24日)のスピードテストの結果を取ってみます。
計測にはfast.comを使用しています。
昼時間以外はかなり安定しているのがわかると思います。モバイル回線の速度表記は基本的に最善の条件下におけるもの(ベストエフォート型)なので、表記上の速度と実測の差が著しいことが多いですが、マイそくは数十Mbps以上出る通常の回線に3Mbpsの速度制限を課していると思われ、非制限時は安定して3Mbpsの速度がキープできています。
週末の夜など時間を変えて混雑する時間に何度か計測を行いましたが、常に3Mbps以上の速度が出ていました。
また、キャリアの違いによる特色はあまり感じられませんでした。au回線は比較的平日昼に強いなどと言われていますが、マイそくの制限の前には無力です。
非制限時の速度は期待以上でしたが、一方で昼の制限時は公称の32kbpsよりさらに遅く、マイピタの節約モード・速度制限の10分の1以下という恐ろしい速度になっています。この時の使用感については後述します。
ちなみに、マイそくもマイピタと同じく5Gオプションを無料で付けることができ、実際に5Gの電波を掴むことも確認できましたが、4Gの速度と変わらないため速度的なメリットはありません。
③使用感
動画視聴
動画サービスはYouTube Premiumを契約中なので、YouTubeで動画視聴を試してみました。
ロードで止まらずに視聴できる画質設定の限度ですが、結論から言うと「720p60・1080pまでは問題なし、1080p60以上は読み込みが追いつかない」です。
上は1080p60の動画ですが、割と頻繁に読み込みが追い付かなくなってロードが挟まるので、ストリーミングで楽しむにはちょっとストレスを感じます。
スマホの画面サイズでは720p程度の画質でもそれほど不満なく楽しめ、iPad miniなどタブレットの画面でも1080pあればまずまず動画を楽しめますので、そういう意味では必要十分といったところでしょうか。
3Mbpsでの結果を見る限り、1.5Mbpsのマイそくスタンダードでは720pでもロードが発生すると思われるため、動画をストリーミングで楽しみたい人にはスタンダードよりプレミアムがおすすめです。
逆に1080p60以上の画質を求める場合は、マイそくプレミアムでも事前にダウンロードしておくなどの対策が必要になります。
また、ニコニコ動画では720pでもロードが頻繁に発生しました。コメントの読み込みなどの分だけデータ量が多いかもしれず、動画サイトによっては720pでも快適でない可能性があるため注意してください。
音楽ストリーミング
こちらもYouTube MusicのPremium版で試してみました。
「設定→モバイルネットワーク使用時の音質→常に高音質」の設定で何曲か聴いてみましたが、ローディングのために曲の頭で待たされることや途中で止まることは一度もありませんでした。
YouTube Musicのヘルプによると、高音質設定のビットレートは256kbps AACのようです。ハイレゾ音源は試せませんでしたが、音楽ストリーミングは基本的にマイそくスタンダードでも全く問題ないと思われ、マイそくプレミアムでは高ビットレートの音源でも余裕を持って楽しめるでしょう。
アプリのダウンロード
スマホアプリのダウンロードや更新は、思ったより時間がかかるというのが率直な感想です。
ちょうどYouTubeアプリの更新(31.4MB)があったので、更新ボタンを押してからダウンロードが完了しインストールが始まるまでを計測したところ、1分27秒かかりました。計算すると約2.89Mbpsなので大体額面通りの速度が出ているとはいえますが、光やキャリアの高速回線と比較すると時間がかかる印象はぬぐえません。
最近のゲームアプリは容量が1GBを超えるものもあるため、空き時間や寝る前などに大容量アプリのダウンロードを行っておくなどの運用が必要になるでしょう。
また、裏で勝手に大容量ダウンロードが始まると帯域に余裕がなくなりネットが全体的に遅くなるため、アプリの自動更新はオフにしておきましょう。
ブラウジング・SNS
当然ながら、スマホのブラウザでネットを見たり、twitterやLINEなどでコミュニケーションを取るにあたってなんら不満を感じることはありませんでした。
twitterで画像や動画が大量に流れてきた時などはさすがに全部表示されるまでに時間がかかりますが、とにかく内容が表示されるまでに時間がかかってストレスがたまるということはありません。
④速度制限中は?
マイそくの一番の懸念材料だと思いますが、マイそくは平日昼の12〜13時と直近3日のデータ転送量が10GBに達したとき、回線速度が32kbpsに制限されます。実測は②で計測したとおりさらに遅く10〜20kbps程度で、これまでのマイネオにおける節約モードの200kbpsと比べても異次元の速度制限ですが、どのような使用感でしょうか?
一言でいうと、「ほぼ使用不可」です。
制限中にGoogleで「mineo」と検索してみた結果ですが、ただの検索サイトさえこのようなレスポンスで、まさに気分はインターネット黎明期。画像の多いサイトはいつまでたってもページが表示されません。
一方で、ほぼテキストのみを取り扱うようなサイトの閲覧ではレスポンスが許容範囲といえることもありました。
例えば私がよくお世話になっている、資格試験の過去問を4択で出題するサイトがありますが、問題の切り替えなどページ遷移は2〜3秒かかるもののとりあえず実用には耐える感じです。
コンテンツがテキスト中心であっても画像が多いリッチなデザインだとかなり厳しいと思いますが、画像が少なければなんとかなるかもしれません。
しかし、そのようなテキスト中心のサイトでも以下のようなトラブルが起こりました。
・広告ブロック判定が出る
ブラウザの拡張機能やアプリなどによる広告のブロックを検知すると、サービスを一部制限したり警告を表示したりするサイトがあります。
速度制限中、広告ブロックを有効にしていないにもかかわらず「広告をブロックしているため一部機能を制限している」旨の表示が出たりすることがありました。
テキストデータはデータ量が少ないためすぐ読み込まれる一方で、裏で読み込まれる広告の画像などが速度が遅すぎることでタイムアウトし、広告をブロックしているという判定が出ているものと思われます。
・スクリプトを利用しているWebサービスが動作しない
最近は裏でJavaScript等のスクリプトがデータを読み込んで提供しているWebサービスが少なくありません。このようなサービスは裏で動いているスクリプトがページの読み込みを止めてしまわないよう、別々に(非同期で)アクセスを行っていることが多いです。
そのためページの読み込み自体は完了しているのに、裏でJavaScriptが行うデータ読み込みがいつまでたっても完了しないということが起こることがあります。
実際に、数秒でページ読み込みが完了しこのサイトは制限中でも使えるかな?と思いきや、実は全然リンクが反応しなかったり肝心のコンテンツが表示されず首をかしげる、といったことが何度かありました。
そもそも、マイそくは混雑する時間を譲ってもらう代わりに使い放題を安く提供しますよ、という趣旨のサービスですので、制限中の遅さやトラブルは仕方のないところです。趣旨に則ってお昼のネットは我慢するのがマイそく流ですね。
⑤使った感想
3Mbpsという速度設定は思ったより絶妙であると感じました。
例えば動画鑑賞でいえばYouTubeだと720p~1080pあたりまでスムーズに読み込むことができます。480pと720pではスマホの画面サイズでもはっきりと画質の差を見分けられるため、動画鑑賞を楽しみたいならばプレミアムを選ぶ価値は十分にあります。
他にも、アプリのダウンロードや更新に結構時間がかかると感じましたが、スタンダードならさらに2倍の時間がかかっていたわけであり、プレミアムだからこそまあまあ我慢できる範囲であるともいえるでしょう。
また、スマホで使う分には3日10GB制限をあまり意識することはないだろうと思います。
もちろん寝ている間に大容量アプリを複数ダウンロードしておくなどの使い方をすれば制限にかかってしまいますが、逆に言えばそれ以外で3日10GB制限にかかるような使い方はあまり考えられません。
回線速度が3Mbps上限なので、夜にダウンロードしっぱなしなどをせずに1日平均3.3GBも使うことが難しいのです。
以上より、1.5Mbpsという普通に使える速度を最安料金で得られるマイそくスタンダードももちろん素晴らしいですが、そこから間違いなく一段階上のスマホ体験を得られるマイそくプレミアムも、料金差の分だけの価値があることをはっきりと感じました。
平日昼の速度制限中だけはどうにもなりませんが、昼さえ問題なければ人によってかなり刺さるモバイル回線サービスとなるでしょう。ぜひ一度体験して欲しいと思います。
なお、マイそくプレミアムをPC用のテザリング回線として使った感想は以下でレポしています。
https://sim.strust.biz/2022/04/04/mysoku7/